※最新のドローン規制法に関する記事はこちら
2015年9月4日に、小型無人機の飛行を規制する改正航空法、通称ドローン規制法が参院本会議で可決し成立したことでメディア各社でも報道がなされていました。施行は2015年内ということで、具体的な内容について関係者間では準備が必要となっています。
また、法律案要綱と異なり法案内容も具体化されましたが、一部不明確な点は残っている状況です。
航空法の一部を改正する法律案要綱(平成27年7月14日)
http://www.mlit.go.jp/policy/file000003.html
http://www.mlit.go.jp/common/001096659.pdf
航空法の一部を改正する法律案(平成27年9月4日)
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/189/pdf/53189750.pdf
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/189/pdf/t031890751890.pdf
航空法(記載時現在)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S27/S27HO231.html
ドローン規制法律案(改正航空法)の内容
航空法に「無人」飛行機の定義が追加
これまでの航空法には「有人」の航空機にのみ有効な条項でしたが、今回無人飛行機が定義され明確に無人の航空機に対する制約を課すことができるようになりました。
今回の無人航空機の定義は、「航空する飛行機、回転翼機、滑空機、飛行船、遠隔操作または自動操縦により飛行させることができるもの(軽量機を除く)」であり、基本的に飛んでいる飛行機は無人飛行機の扱いとなりました。
国交省の許可がない場合における飛行禁止エリア
今回の改正法内容として最もインパクトのある飛行禁止エリアについてです。
国交省の許可を取らずに無人機を飛行させる場合は、以下のエリアにおいて飛行が禁止されます。
- 航空機の航空の安全に影響をおよぼすおそれがある領域
- 人・家屋の密集地域上空(国土交通省が定める)
- 祭礼や展示会などの多数の人が集合する催しが行われている場所の上空以外の空域
下記は、法律案の段階における許可の必要な領域です。
上記に加えて、祭礼や展示会など人があつまる場所(ほかメディアではイベントとの表記が多い)での飛行禁止(上空以外のため地上付近でもNG)が追加されている点が今回の成立した法案に追加されています。
これにより、五月に行われたドローン展などでのデモ飛行などこれまでのように(許可無く)行うことが難しい状況です。レースなども同様に許可制となるのでしょうか。
無許可で飛行を行う場合の制約事項
また、飛行禁止エリアと同様に、許可を得ない場合の飛行における制約事項があります。
- 日出から日没までの間において飛行させること
- 無人機と周囲状況を常時目視による監視
- 無人機と人・物件との距離を保つ
- 物の輸送を行うこと
- 物の投下を行うこと
無許可で飛行する場合には夜間飛行は実質行うことができず、目視での飛行が原則となりました。
そして、国交省の許可がなく、これらの飛行禁止エリアや飛行制約に違反をした場合は50万円以下の罰金が課されることになりました。
国交省の許可や特例
法案の中では、「国土交通大臣の承認を受けたもの」「都道府県警察」が上記規制の例外とされていますが、現時点で承認を受けるための方法や規定が公開されているわけではありません。
年内施行ということですが、それまでに無人航空機の飛行安全性を担保するための承認基準が作成されるのでしょうか。
本法律が成立することで、人口密集地域などで飛行させることが事実上できなくなり制約も増えたために、安全性が多少なりともあがったことは事実ですが、これまで以上にドローンに興味関心をもつ人が減少することに可能性があるのもまたひとつです。
また事業者側も不明確な承認制度であったり、承認に時間がかかることによりビジネスを阻害する要因にもなりかねませんので、許可や特例のフローが今後とても重要な部分になると考えます。
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長崎市でも、夜間飛行は禁止か?
地域によらず、国交相の許可がない場合は夜間飛行は禁止になるものと思います。