アマチュア無線4級の免許を取得し、ビデオの送受信機を揃えたら、ようやく無線局開局の申請です。
FPVレースへの参加まであと一歩です!
FPVレース参戦までのステップ / 連載
3. ビデオ送信機の無線局開局申請を行う(電子申請)
4. FPVレース用の機体のセッティングと飛行テストを行う
無線局開局の申請方法について
アマチュア無線4級を取得し、ドローンの映像を映し出すためのビデオ送信機を手に入れたら、後は無線局開局を行いコールサインを取得します。この無線局開局の申請手続きには「紙での申請」と「オンラインでの申請」の2種類があり、今回は、無線局開局の電子申請方法の説明です。
紙での申請方法については、他サイトで詳しく取り上げられていることもあるため、下記を確認いただくのがわかりやすいと思います。
アマチュア無線でRC FPVを楽しむ
空撮を始めてすぐにしたくなったFPV | 空飛ぶアメンボ
紙でも電子でも、どちらも必要となる情報は原則かわりませんが、手間やそれにかかる審査時間は異なるのが現実です。紙での申請は早ければ2週間ほどで開局ができるケースもでています。電子申請の一番のメリットは、窓口での受け取りを除いて、全ての作業をオンラインで済ませることが可能である点です。一度、作成したIDやファイルがあれば、次回変更申請などをする際にも早く行うことが可能です。
無線局開局 電子申請の流れ
まずは、オンラインで無線局開局申請をする場合に必要なものは以下です。基本的には、総務省 電波利用 電子申請・届出システム Lite(以下電子申請システム)のWebシステムを利用していきます。ユーザーIDは発行するのに1週間かかるため、アマチュア無線免許を持っている方は早めの発行を行うのが吉です。
- 電子申請システムのユーザID・パスワードの取得
- ビデオ送信機の準備
- 電子申請システムで保証用ファイル(zip)を作成
- JARDへの保証願書の入力・送信・zipファイルアップロードと入金
- 開局申請内容の修正
- 電子申請システムで保証書を添付し総務省へ送信
- 総務省にて審査
- 総務省より開局費用の振り込み依頼・振り込み実施
- 審査完了通知と受け取り(or郵送)
最も、初心者に難しいのが、ステップ3の電子申請の保証用ファイルの作成です。紙での申請でも必要となる、無線局事項書及び工事設計書の記載が必要です。この記載方法にも癖や慣習があり、注意点など、説明画像に注記していますのでご自身のケースと見比べて確認してみてください。
なお、これら全ての無線局開局ステップを終えるまで約1ヶ月ほどかかりますが、ステップ7の総務省による審査が最も時間がかかる部分です。私の場合は途中の総務省への振り込み2,900円を即日に行い、結果12営業日で審査が完了しました。
この無線開局にかかる費用は、総務省へ2,900円、申請送信機が5個までなら保証料は6,000円です。
なお、ここでは、無線局の免許状の受け取り以外を全てオンラインで行う前提で薦めているため、銀行振込などオンラインバンキングの操作が必要となります。直接銀行振込やペイジーを利用することも可能ですので、その点は読み替えていただければと思います。
1. 電子申請システムのユーザID・パスワードの取得
まずは、電子申請システムを利用するための、ID・パスワードの発行を行います。
なお上述のように、このID・パスワードの発行には、申請してから1週間かかります。
ID・パスワードの発行をすると、「1週間以内にID記載の書類を送付する」旨が伝えられます。
- WebシステムのIDをWebで申請して、
- 紙で受け取る
というスキームです。それでは、手順です。
①下記にアクセスし、動作チェックを行い、新規ユーザ登録に進みます。
http://www.denpa.soumu.go.jp/public2/index.html
2016年1月時点での推奨パソコンはWindows8以下(Vista以上)となります。MacOSやWindows10で行うとチェックボックスが動作しないや入力できないなど不具合が考えられますので、Windows7パソコンをなんとか用意しましょう。
②必要事項を入力して進む
名前や住所などの基本事項を入力します。
その中に、「無線従事者免許証の番号」欄があるため、こちらにアマチュア無線免許証の免許番号を入力します。
必要事項を入力して送信し、後は、家にID情報が届くのを待つだけです。
2. ビデオ送信機(VTX)の準備
ID情報を発行している間に、ビデオ送信機(以下VTX)を選定し、準備を行いましょう。
今回は、申請をするのに大変便利な系統図などがついているVTXを利用します。
5.8Ghzを利用するVTXは海外サイト、日本サイトで広く販売されていますが、ほとんどのVTXは技適取得が行われていません。そのため、後続のステップにある「保証」が必要となります。
この保証を行うのが、上述のJARDやTSSと言われる団体であり総務省より保証業務の認可を受けて業務を行っています。保証を行う際には、VTXの素性を明らかにする必要があり各種書類が必要となります。
海外製のVTXの場合、日本のアマチュア無線では許可されていない周波数を出すことが可能であり、これを極力出さないように改造する必要があるためです。この改造処理は、許可されていない周波数を出さないようにするために、DIPスイッチを切り替えにくく細工したりテープで封じるなどの措置を行うことがあります。
保証依頼をする際には、これらの情報をJARDやTSSに提示する必要があります。製品により上記に過不足がある可能性がありますので、詳細はJARDもしくはTSSに確認をしてください。
なお、TS5823Jの送信機はTS5823を日本仕様に変更して、かつ系統図や製品スペックの書類が同封されているため、スムーズに申請を行うことが可能です。
3. 電子申請システムで保証用ファイル(zip)を作成
電子申請システムのID情報を取得し、VTXの準備、並びに系統図や製品スペック記載の書類が準備出来た段階で、保証用のファイルを作成します。
なお、ここが初心者には非常に難しい部分であり、電波申請時の「お決まりのお作法」などもありますので注意が必要です。以下、なるべく丁寧に解説していきますが、重要な点として、最後の送信ボタンは押しません。保存して終了してください。
①ログインして開局申請から申請開始を行う
http://www.denpa.soumu.go.jp/public2/list/index.html
②以下、必要事項を入力していき、最後に保存します。
↑ここでの注意点はVTXの定格出力を記載するわけではない点です。JARD担当者より1Wの固定値入力を求められました。
↑こちらを入力していたことで、指摘をうけましたので空欄で大丈夫です。
この手数料は、後続のステップ「総務省への審査中」に支払ますので、すぐに必要とはなりません。また、無線局の免許状の受け取りには、返信用封筒別送がありますが、せっかく電子申請で全てを行っているので他方法を選択しました。
これで、shinsei_YYYYMMDD.zipとなるファイルがダウンロードできます。
上記は、JARD担当者様と直接やりとりをして成功した結果ですので基本的に不足はありませんが、申請するVTXにより、内容はもちろん異なります。各自、系統図や仕様を確認のうえ、申請書類の作成を行ってください。
4. JARDへの保証願書の入力・送信・zipファイルアップロードと入金
続いて、保証業務を行う団体に、オンラインから保証申請を行います。
なお、保証業務を行う団体には、JARDとTSSがありますが、JARDのみを今回は取り上げます。
①オンラインより保証願書を作成し送信する
https://www.jard.or.jp/hosho/contents/guidance_03.html
名前や申請する送信機名称などを入力し、最後に電子申請システムで作成したZIPファイルをアップロードします。申請が完了するとメールが届く旨が表示されます。
②保証料の入金
保証料の料金や、振り込み先は、JARDからメールで通知されますので、それをもとに、オンラインバンキングなどで、振り込みを行います。保証料の入金を持って、保証作業が開始されるため、早めの入金が必要です。
参考までに、2015年12月時点の保証料金は以下のとおりです。
無線局の免許申請(開設)の場合
・1台のみ 4,000円(税込)
・1台を超え5台まで 6,000円(税込)
・5台超え 8,000円(税込)
変更の場合
・1台のみ 3,000円(税込)
・1台超え 5,000円(税込)
設置場所変更の場合
・台数に関係なく1件 2,500円(税込)
上記から、なるべく、複数台を一度に申請すると費用を抑えることが可能です。
5. 開局申請内容の修正
仮に、保証申請内容に不適切な点や不備がある場合、JARD担当者様よりメールで指摘事項を教えていただけます。可能な限り速やかに進めるためにも、事前に申請内容(特に電子申請システムで記載する内容)を確認してすすめるのが大事となります。
6. 保証書の受領と総務省への電子申請
無事に保証内容が確認できると、JARDより保証書のPDFが送付されます。
再度電子申請システムにZIPファイルをアップロードして、保証書を添付し、今度は最後に保存をせずに、「送信」します。
7. 総務省にて審査
申請内容が無事送信されると、数日後に審査が開始されます。現在の申請状況は、Webより確認することも可能です。
http://www.denpa.soumu.go.jp/public2/index.html
こちらの、「照会・ユーザー情報変更」から確認します。その中の「申請履歴照会」から現在の申請した内容と状況が確認可能です。
8. 総務省より開局費用の振り込み依頼・振り込み実施
審査の途中で、総務省よりメール「総務省 電波利用 電子申請・届出システム Lite からのお知らせ」が来ます。この中には支払料金や振り込み口座などは記載がありません。
ステップ7同様に、「照会・ユーザー情報変更」の「納付情報照会」を選択します。ここから直接、銀行を選択して、オンラインバンキングによる振り込みを連動して行うことが可能です。
9. 審査完了通知と受け取り(or郵送)
振り込みが完了してから数営業日後に審査が完了となります。審査完了の旨はメールなどでは通知されていなかったため、上述の「申請履歴照会」を随時確認しましょう。選択した受け取り方法で、免許を受け取り、晴れて無線局の開局となります。
この無線局の開局ですが、何も知らない状態で行うと、1ヶ月以上はかかります。アマチュア無線の免許取得からだと3ヶ月前後となるのが通常です。現在の日本において合法的にFPVを行うにはかかせないステップであるため早めの対応が必要です。
なかなか、初心者には難しい作業かもしれませんが、上記を参考にしながら少しでも多くの人がFPVレースに参加できるようになれば幸いです。その他質問や疑問点などはコメント欄にて記載してください。次は、最後の機体セッティング!本当は、目視外飛行申請もしたいのですが、それは後日。
FPVレース参戦までのステップ / 連載
3. ビデオ送信機の無線局開局申請を行う(電子申請)
4. FPVレース用の機体のセッティングと飛行テストを行う
はじめまして
FPVドローンをしたく、ページを参考にさせていただいてる者です。
質問なのですが
>6.JARDより保証書のPDFが送付されます
振込みから何日で保証書が送られてきますでしょうか?
二週間前後だったと記憶しています。遅い場合などは、直接電話などすると親切にご対応いただけますよ。
ありがとうございます、
問い合わせしたところちゃんと対応してもらいました。
ありがとうございます! こんな感じで貼らせて頂きました!
https://drone.amebaownd.com/posts/1738229
これからも色々と参考にさせて頂きたく、よろしくお願いします!
大変参考にさせて頂きました! おかげで審査、通りそうです。わたしもドローンに関するブログと動画配信しておりまして、リンク張らせて頂いてもよろしいでしょうか? よろしくお願いします。https://drone.amebaownd.com/
開局もうちょっとですね!
参考になってよかったです。
次はレースですね
リンクは自由です。無機質なリンクではなく流れや記事の中だと嬉しいです。よろしくお願いします。
TS856J同封の資料公開 無断転載を禁止致します。
大変失礼いたしました。該当画像非掲載にいたしました。
教えてください 3級アマチュア無線士は 持っております。 ただ FPVで飛行の際 国土省の有視界飛行とは
認めてもらえず許可が必要ですが 許可は 場所 機体を 許可するため レース会場などでは飛ばせなくなりませんか 登録された場所以外では どうすればよいのでしょうか レース開催の場所をいちいち登録するのでしょうか
レースが開催される場合、まずは室内と屋外があります。室内は航空法の規制対象外なので、特段国交省への申請は不要です。
そして屋外の場合ですが、これまでのレースでは、すべて「パイロットごとに運営を経由して国交省へ申請」しています。
私も、過去に書類を下記、運営に送り、国交省へ申請していただいています。
有視界飛行自体はアマチュア無線は現状関係ありません。
その他不明点があれば、またコメントしてください。