海外では、一つのスポーツとしても認められてきたFPVドローンレース!!
先日千葉県香取市で行われた「ドローンインパクトチャレンジ」のように、日本国内でもFPVドローンレースが開催され今後さらに熱くなることが予想されます。
FPVレースとは、ドローンの機体に取り付けたカメラの映像をゴーグルなどに受信して操作を行うレースであり、目視で操作するよりも迫力のあるスピード感のある飛行が楽しめます。
ここでは、日本国内でFPVドローンレースに参戦するまでの必要事項を用意する順にまとめていきます。今回は、FPVでドローンの映像を送受信する際に必要となるアマチュア無線4級の取得についてです。
アマチュア無線免許は、取得自体に2週間〜4週間がかかり、その後の無線局開局(1ヶ月前後)に必須です。そのため、早めにアマチュア無線を取得しておくのがよいでしょう。
FPVドローンレース参戦までのステップ / 連載
1. FPV映像伝送のためにアマチュア無線4級を取得する
4. FPVドローンレース用の機体のセッティングと飛行テストを行う
日本国内でFPVの映像受信するのに用いる周波数帯「5.8Ghz帯」
FPVで映像受信するのには、CCDなどの「カメラ」と映像を送信する「ビデオ送信機」、そしてゴーグルなどの「ビデオ受信機」が必要ですが、無線で映像を送受信する以上、電波を用います。
多くの市販のマルチコプターの操縦に利用する電波は、免許の不要なWi-Fiと同じ周波数である2.4Ghzを利用することが多いです。この2.4Ghz帯を映像伝送に利用することも一つですが、無資格で利用できる電力量が小さいこともあり、映像の伝送には十分ではないことがあります。
こうした中、FPVに利用するビデオ伝送に、日本国内だけではなく海外でも5.8GHz帯を利用することが増えてきています。
そして、この5.8Ghz帯は、日本国内では無免許で利用することができない周波数帯であり、利用するためにはアマチュア無線免許が必要となります。
アマチュア無線の取得で利用できる周波数帯
この5GHzですが、日本国内では、周波数によって利用が制限されています。
見ての通り、5.65GHzから5.85GHzの周波数がアマチュア無線に割当てられていおり、市販されているFPV用の映像送信機の周波数帯ともあいます。
実際にこの帯域を利用するには、無線局の開局についても申請する必要がありますが、その前提として「アマチュア無線4級」の国家資格が最低でも必要となります。
FPVする際に日本で利用可能な周波数詳細
Frequency Range | CH1 | CH2 | CH3 | CH4 | CH5 | CH6 | CH7 | CH8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
A(FR1) | 5865 | 5845 | 5825 | 5805 | 5785* | 5765 | 5745* | 5725 |
B(FR2) | 5733 | 5752 | 5771 | 5790* | 5809 | 5828 | 5847 | 5866 |
E(FR3) | 5705* | 5685 | 5665 | 5645 | 5885 | 5905 | 5925 | 5945 |
F(FR4) | 5740* | 5760 | 5780* | 5800* | 5820 | 5840 | 5860 | 5880 |
R(FR5) | 5658 | 5695 | 5732 | 5769 | 5806 | 5843 | 5880 | 5917 |
*の太字の周波数はアマチュア無線で利用可能な周波数です。
アマチュア無線4級の取得方法
このアマチュア無線4級は国家試験です。
これに合格するには、以下2つの取得方法があります。
- 講習会を受講し、講習会の中で実施される試験に合格する
- 国家試験を直接受けて合格する
講習会を受けるほうが、試験にかかる時間(最低2日)や受講料もかかりますが、事前勉強などが不要で受けるだけで合格可能なのに対して、直接受験は自身で書籍を購入するなどして勉強する必要があります。
無線に精通していないかぎり、事前勉強をなしに合格することはアマチュア無線4級といえど難しいと思います。
試験日がスケジュールと合い、時間に余裕のある(勉強する時間が数日ある)のであれば独学で勉強するのも一つだと思います。私は、タイミングよく日程があったため、講習会を受けて免許取得にいたりました。講習会内容も初心者には丁寧な説明でありとても助かりました。
講習会でアマチュア無線4級を取得する
講習の申請方法は、下記HPを参考に行います。
一般財団法人日本アマチュア無線振興協会|JARD OFFICIAL WEBSITE
講習会を行っている地域を選択し、日程を確認します。
都合の良い日程の講習会の「講習会番号」を控えておき、ページ下部にある申請書のPDFに記載し印刷します。
印刷後、受講料の支払いを行い、受付場所に送付または持参します。なお、受講料の支払いは、直接窓口にお伺いして支払うことも可能でした。
Webからの申請の場合、既に申し込み受け付けが終了している場合がありますが、電話の場合、直前でも受け付けてくれる場合もありますので、時間が合わない場合は直接問合せるのが良いかと思います。
後は講習を2日間参加し、最終日に試験を受け(誰でも合格できます)、後日1周間ほどで郵送で合格の通知が届きます。
直接国家試験を受けてアマチュア無線4級を取得する
国家試験の申し込みは、当日試験会場にいき受付を行くか、事前にインターネットによる申し込みをすることも可能です。
公益財団法人 日本無線協会
第三級及び第四級アマチュア無線技士国家試験案内
次回はビデオ送信機・受信機の選定から購入までを紹介します。
FPVドローンレース参戦までのステップ / 連載
1. FPV映像伝送のためにアマチュア無線4級を取得する
4. FPVレース用の機体のセッティングと飛行テストを行う
橋本保雄さん、電話級アマチュア無線技士の資格をお持ちなのですね!
電話級アマチュア無線技士は平成2年に第四級アマチュア無線技士に資格の名称が変更されましたので、電話級アマチュア無線技士と第四級アマチュア無線技士は同じ資格ですよ!
電話級アマチュア無線技士の資格でも安心してドローンの無線局開局申請ができますよ!\(^o^)/
すみませんが教えてください。
アマチュア無線で使える周波数帯は5.65~5.85GHZの範囲内となっていますが、実際に送信機で発射できる周波数のうち
使用可能なものは、説明の表では7波のみとなっていますが、何故でしょうか?
5.65~5.85GHZの範囲内に収まっているバンドの周波数でも使えないバンドがあるのは何故でしょうか?
お世話になります。
早速ですがご指導お願いします。
私はむかし取得しました電話級アマチュア無線技士の資格を持っています。
千葉県在住ですが、ドローンの操縦資格を取得するのに、何をどのようにすればいいでしょうか。
ご指導お願いします。
橋本
橋本さんは「ドローンの操縦資格を取得する」とありますが、最終目的はどこでしょうか?コメントいただいたページを観るに、ドローンレースでしょうか?
専用の操縦資格というものはありませんが、2016年5月現在、日本国内でレースを行う上で必要なのは、「アマチュア無線4級以上」「5.8Ghzの映像送信機の開局免許」が必要となります。
また、ドローン規制法がありますので、FPVなどの目視外飛行は、規制対象となるため、国交省への申請も必要となります。(屋内の場合は該当しません)
上記で回答は足りていますでしょうか?足りてなかったらまた連絡ください。
なお、ドローンレースとは別に、「ドローン検定」や「JUIDA認定証」などが民間企業や社団法人を中心に展開されており、ドローンリテラシーの向上を目的とされている講座もあります。今のところ、公的な「ドローン操縦資格」は存在しません。
試験でアマチュア無線を取る場合、
「初級アマチュア無線予想問題集2016年版: 完全丸暗記」がオススメですよ。
「完マル」の愛称で昔からある本で、大変有名な問題集です。
4級だけでなく3級も網羅しています。
有用な情報、ありがとうございます!
後から見る人の参考になります。