ドローンに取り付けたCCDカメラの映像をVTX(映像送信機)に乗せて受信するのがFPVゴーグルの役割です。ゴーグルではなく、モニターを利用する愛好家もいますがレースをやる人はほぼ100%ゴーグルを用いています。ここでは、2016年9月時点で販売されている最新のゴーグルの比較をします。
ゴーグルの代表ブランドは「Fat Shark」と「Skyzone」
多くのドローンレースに参加してみると、モニターを利用している人はほとんどいません。またブランドでみると、Fat Sharkが8割、Skyzoneが2割といったい状況です。まずは、最新のゴーグルを価格や基本性能と一緒にみてみましょう。なお、価格はGetFPV.comの9月5日時点の日本円価格です。変動する可能性がありますのでご了承ください。
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メーカー | Fat Shark | Fat Shark | Fat Shark | Skyzone |
モデル | Dominator SE | Dominator HD V3 | Attitude V4 | SKY02S V+ |
販売価格(税込) | 36,000円 | 52,000円 | 36,000円 | 30,000円 |
リンク | 詳細 | 詳細 | 詳細 | 詳細 |
解像度*1 | VGA 640×480 | SVGA 800X600 | VGA 640×480 | WVGA 854X480 |
アスペクト比 | 4 : 3 | 4 : 3 | 4:3 | 5:3 |
HDMI | 無 | 有(HD 720p) | 無 | 有(HD 720p) |
ビデオ録画 | 有(microSD) | 有(microSD) | 有(microSD) | 有(microSD) |
ダイバーシティ | 要追加モジュール | 要追加モジュール | モジュール内蔵 | 有 |
備考 | ファン付き | ファン付き | ファン付き | ファン無 |
Fat Shark / Skyzoneともに、2016年8月に最新FPVゴーグルがリリースされた。
Dominator SEは解像度がVGAに落ちたモデルでHDMIポートがついていません(Fat Sharkサポートに確認済)。前作に比べて安く購入できるようになっています。SKY02S V+は、これまで機能が搭載されていなかったHDMI入力がついているのは嬉しいですね。
おすすめFPVゴーグルはどれ?
HDMI、SDカードを利用した録画など基本的な機能に差異はなくなってきましたが、大きな違いは解像度の部分です。WVGAはVGAを横長に拡張したのに対して、SVGA横縦両方に拡張されているのでとても広くみることができます。レース重視ならば「Dominator HD2」が良いと思います。
※追記
2017年2月時点の最新は「Fatshark Dominator HD3」です。つけごこちやFOVなど最適化されており映像も大変きれいですので、現在はダントツでHD3をおすすめします!
Fatshark系とSkyzone系で大きく異るのは、「モジュールの追加」をFat Sharkの基本としている点です。受信機自体は最初から「標準モジュール」として組み込まれていますが、ダイバーシティで複数の電波受信をする場合や、最近だとオートマチックに電波を受信したり切り替えるためのモジュールも販売されています。このモジュール周辺開発が活発な点、新しい機能を取り入れて試せるのは、Fat Shark系ゴーグルの魅力です。
Skyzoneは必要な機能が十分にまとまっており、使い勝手がよいゴーグルです。OSDメニューがあるため周波数の切替やコントラストや明るさの設定も画面を見ながら簡単に操作ができます。価格も高すぎず、そして何より装着しやすいと思います。当分Fat Shark人気は続くものと思いますが、天邪鬼にいくならSkyzoneでしょうか笑
ゴーグルにつけるアンテナ
FPVゴーグルを最近はダイバーシティにして2本のアンテナを使うことが増えてきました。Skyzoneは元々ダイバーシティですが、Fat Sharkの場合は追加モジュールを取り付けることでダイバーシティ化することが可能です。その際によく行うのが、直進方向の距離を伸ばすための「パッチアンテナ」と全方位的な電波を受信するための「クローバーアンテナ」を併用するやり方です。

ダイバーシティでパッチアンテナとクローバーアンテナを併用
参考にしてみてください。以下は、各アンテナ商品例です。
5.8GHz SpiroNET Mini Patch Antenna (RHCP)
TBS Triumph 5.8GHz CP FPV Antenna
デジタルVTX対応のゴーグルは主流となりうるか?
最後に、デジタルVTX対応のゴーグルについて少し紹介します。CONNEXのProSightというデジタルVTXが最近レースなどで利用されることが増えてきました。それに伴いHD対応の専用ゴーグルが出てきています。

CONNEX ProSight
このVUZIXはCESでも受賞したことのある製品で、FOVが55度、解像度もHD(1280×720)と大きいです。同じ解像度のHDゴーグルとして「Avegant Glyph」というものもあります。個人的には、ProsightなどのデジタルVTXの活用は広がっていくことは間違いないと思っています。綺麗な映像でほぼゼロ遅延で飛ばせるというのはパイロットはもちろん観ている観客にも魅力的です。現状はデジタルVTXやアンテナが大きくカメラレンズが交換しづらいなどの課題はあるものの、時期に変わっていくものと思います。もちろん平行してアナログVTXを利用したドローンレースも開催はされ続けますし、HDMI対応しているゴーグルであれば、デジタルVTXも使えますので、2016年の購入においては、アナログ対応しているFPVゴーグルが良いと思います。下記は参考にどうぞ。
VUZIX iWear Video Headphones – HD VR and FPV Compatible
Avegant Glyph HD A/V Headset – Founder’s Edition