DJI Phantom 3のカメラですがProfessionalは4K映像の撮影が可能な高性能なカメラが搭載されています。
私は元々カメラに対する興味がほぼ無いに等しく、利用するカメラといえばiPhoneくらいです。
そのため、カメラのセンサーの善し悪しやレンズの広角、ISOやらF値などわからないことばかりでした。ここではそれらの初心者がわかりづらいポイントを解説していければと思います。
そもそものデジタルカメラって?「露出」と「シャッタスピード」と「絞り」
デジカメは外部の光をレンズを通して「光の強さ・明るさを電気信号として変換する部品」である撮像素子へ当てることで撮影を行っています。この光を「どのくらいの量」「どれくらいの時間」コントロールするか、というのが撮影するにあたって重要なポイントだといわれます。
光を取り込むことを「露出」と呼び、露出する光の量を調整することを「絞り」と呼び、絞り値をF値(F1.4〜F32などと表す)と呼びます。また、シャッターの開閉時間で光をどのくらいの時間当てるかを調整する役目が「シャッタースピード」と呼ばれます。
このF値とシャッタースピードなどの関係で決定されるのが露出値=EV値であり、明るさの単位として利用されます。このEV値は-2、0、+1のように0とプラスマイナスの値で表記されます。これはEV値が絶対値ではなく、ある基準からのい相対的な値を指すからです。
Phantom 3 Professionalのカメラ仕様を改めて確認する
まずは、Phantom 3のカメラの仕様を確認しながら不明点を細かく見ていきます。
仕様 | 詳細 |
---|---|
センサー | Sony EXMOR 1/2.3” 有効なピクセル:12.4 M (合計ピクセル:12.76 M) |
レンズ | FOV 94° 20 mm (35 mmフォーマット相当) f/2.8, フォーカス ∞ |
ISO 範囲 | 100-3200 (ビデオ) 100-1600 (写真) |
シャッタースピード | 8s -1/8000s |
画像最大サイズ 4000 x 3000 | |
静止写真モード | シングルショット |
連続撮影:3/5/7 ショット | |
オートブラケット (AEB):3/5 | |
0.7EV バイアスでのブラケットフレーム | |
コマ撮り | |
ビデオ録画モード | UHD:4096x2160p 24/25, 3840x2160p 24/25/30 |
FHD:1920x1080p 24/25/30/48/50/60 | |
HD:1280x720p 24/25/30/48/50/60 |
Sony EXMOR 1/2.3とは
2.3分の1の大きさのCMOSイメージセンサーが搭載されているという意味。SonyのEXMORはCCDではなくCMOSを搭載ということであり、消費電力や高速処理、低ノイズ性能がCCDに比較し向上しているという。
https://www.sony.jp/technology/camera/exmor/
有効なピクセル:12.4 Mとは
有効画素数が12.4メガピクセルであり、1240万画素とも言い換えられる。写真は拡大すると一つひとつがマス目になっていて、このマス目が画素となる。そのため、画素数が多ければ多いほど細かいマス目となり高画素は高画質といえる。ちなみに、iPhone6の画素数は800万画素であり、Phantom 3はこの1.5倍となる。
また、GoPro HERO4はSilver / Blackどちらも1200万画素。
レンズ FOV 94°
FOVとはField Of oViewであり視野のことであり画角と呼ばれることもある。
94°なので広角レンズと呼ばれる。100°を超えると超広角レンズで、魚眼レンズとも呼ばれる。標準レンズは50°から25°で望遠レンズは15°から10°。20 mm (35 mmフォーマット相当)とは、レンズの直径を表したものであり、35mm相当のレンズと同じくらいの画角があると言っていると解釈しています。ちなみにGoProの場合は、ウルトラワイド / ミディアム / ナローと3段階のFOVが用意されており、撮影する解像度によって利用できるFOVが異なります。
f/2.8, フォーカス ∞
F値が2.8という値です。この値の良し悪しなどが判断できませんが、F値が低いもののほうが高級でプロ志向のものが多いようです。AmazonでF値が0.95のレンズは、12万円…。
フォーカス∞はinfinity focus=無限焦点、との解釈です。無限焦点が理解できず説明不可。理解できたら記載します…。
ISO 範囲 100-3200 (ビデオ) 100-1600 (写真)とシャッタースピード 8s -1/8000s
これはISO感度とシャッタースピードのそれぞれの範囲。DJI Pilot appからも手動で範囲指定が可能です。
静止写真モード>オートブラケット(AEB):3/5
基準値及びその基準値を変えて複数のカットを撮影する機能。フォーカスブラケット(フォーカスする箇所を複数かえて撮影)やISO感度ブラケットなど種類がある。今回は(AEB)とあるのでAuto Exposure Bracketingであり露出のオートブラケット撮影のこと。(3/5とあるのはどういう意味なのだろう…)
静止写真モード>0.7EV バイアスでのブラケットフレーム
0.7EVというのはEV値のことを指すんでしょうが、「バイアスでのブラケットフレーム」この言い回しがまったく意味がわからない。助けて。
静止写真モード>コマ撮り
パラパラ漫画のように、被写体を少しずつ動かして連続再生することで動いているように見せる撮影をコマ撮りと呼ぶ。ストップモーションと同義。
CG技術の進化によって、存在が薄くなりつつある?「コマ撮り」・・・・。海外ではstop motion(ストップモーション)と呼ばれる撮影技法です。何とも言えない深い味があるコマ撮りの世界へようこそ!! …
UHD:4096x2160p 24/25, 3840x2160p 24/25/30
UHDはウルトラハイビジョンであり、4Kなどと言われているもの。映像・動画の解像度(画素数)を縦×横の数値で表している。「24/25」や「24/25/30」というのは、fpsと呼ばれる数値で、Flames Per Second、つまり1秒辺りのフレーム数を表します。そのため高いほうがより細かいフレームで映像を撮影できるため、より滑らかな映像とななります。
ちなみに、GoPro HERO4では、BlackEditionは4096×2160で30fps、SivlerEditionは4096×2160で15fpsとなり4K映像だけで比較すると下記のようになります。
GoPro HERO4 Silver < Phantom 3 Professional < GoPro HERO4 BlackDJI Pilot appの各機能の詳細の説明
いやぁここまで調べるのに2時間かかりました。しんどい。でも少しでも理解すると今までぼんやり見ていた文字や数値が理解でき、機能の使い方の幅が広がるので、ここは面倒臭がらずにキャッチアップしておきたいです。
では、ようやく、DJI Pilot appの中身へ!
ISO、Shutter、EVの値が示す内容
まずアプリを開くといつでも見えるのが、ISOとシャッタスピードの値とEV値です。冒頭のデジカメの説明にもあるように、ISOとシャッタースピードによる光の調節が重要なポイントとなります。
ISO感度(100〜3200)
アイエスオー、イソなどと日本語では読み、ISO=国際標準化機構で策定された写真フィルムの規格であり、どの程度弱い光まで記録できるかを示すもの。
DJI Pilot appでは、ISO感度を100〜3200まで指定することができるが、数値が低いほど(ISO100というように低感度であるほど)画質は良いが光を受け取る能力は一番低い。実際にある程度光が入る室内でISOを変えてみるとわかりやすい。
ISO感度100の状態だと壁が暗いのに対して、ISO感度を200まであげると明るく見える。これはISO感度が200にすることに、より多くの光を記録することができるようになったということ。
Shutter(1/8000〜/30)シャッタースピード
1/400秒の間、シャッターが開いていて、その間に光が入る、という設定なので、1/50秒であればより時間が長くなるので、光の量が多くなり、明るくなる。分数なので直感的にわかりにくい。
EV値
こちらも冒頭で出てきた値、直接ここを変更するわけではなく、ISOとシャッタースピードの値により変動する。リモコンの右上のカメラセッティングダイアルを回すと、ISOとシャッタースピードとEVの値が変動する。
実際にダイアルを回すとわかるが、ISOとシャッタースピードをそれぞれ交互に調整していることがわかる。具体的には、ISO400、Shutterを1/25でEV値0の状態から光の取り込みを上げていくと
- ISO400、Shutter1/12.5、EV+0.3
- ISO800、Shutter1/12.5、EV+1.0
- ISO800、Shutter1/6.25、EV+2.0
- ISO800、Shutter1/5 、EV+3.0
というように、順々に変化します。ダイアルで操作すると、順々にISOとシャッタースピードを調整してくれますが、右下のメニューを押下すると手動で調整することも可能です。
屋内・屋外や場所によって採光は異なりますが、その場所によってISOやシャッタースピードを変えた上で、とってみるのがよいかもしれません。
フォーマット
フォーマットはJPEG、RAW、JPEG+RAWの3パタンあります。
JPEGとRAWの違い
これらは、画像のファイルの保存形式ですが、RAWは意味そのままで「加工前」の状態であり、JPEGは反対に加工された状態のファイル形式です。撮影した写真を参照したり人に渡したり、WebにアップロードしたりするのはJPEGですが、RAWはどのようにして使うか?
RAW形式の画像はRGB化される前のあらゆる光の情報をそのまま保った状態のデータであり、色合いやコントラスト、ホワイトバランスなどの調整が可能となるため、撮影後に修正がし易いという面があります。JPEGでもレタッチなどで修正はできますが、本格的に加工する場合はRAWファイルを扱うほうがやりやすいということです。
RAWで保存しておけば、たまたま撮影時に露出などの設定を誤ってしまった場合などに後からの調整がし易いです。もちろん加工前状態なので、その分容量が大きくなるのが最大のデメリットです。容量が大きく圧縮度合いも悪いためメモリーカードなどへの書き込み速度も遅いです。
JPEG+RAWとは何?
これは単純に,JPEGでもRAWでもどちらの形式でも保存するいうことで、さらに容量が大きくなります。容量に限りが有る場合や、テストフライトなどの時であれば、JPEGのみで良いと思いますが、撮影で限られた時間で行うケースや、フライト回数が少ない場合などはJPEG+バックアップとしてのRAWで保存しておくなどがよいのではないでしょうか。
写真サイズ:4:3と16:9の違い
私は最初特にこの2つの違いがどうなのか直感的に理解していませんでした。16:9の方がワイドです。ワイドが良いケースとそうではないケースの使い分けなど含め下記が参考になりました。
ホワイトバランス
ホワイトバランスとは、どのような光でも適切な白色に補正する機能のことで、光源によっては青くなったり灰色になったり赤くなったりするため補正が必要となります。DJI Pilot appでは、自動、晴天、曇り、白熱灯、蛍光灯、ホワイトバランス(2000K〜10000K)の6種類が用意されており、それぞれの状況に応じて自然な色に移してくれます。
色温度
光の色の変化は、色温度により表現ができ単位Kです。ホワイトバランスを手動で選択する場合は、この色温度を2000〜10000Kの間で選択します。色温度が低いほうが赤みをまし、高いほうが青みをまします。
ビデオの解像度:4K、FHD、HDとfps
fpsは1秒辺りのフレームで、値が大きいほうがフレーム数が多いので、その分なめらかな映像になると上述しました。ただ、少し疑問だったのは、「なぜ同じ解像度で低いfpsが複数あるのか?」なんですよね。滑らかに取れるのであれば、fpsが高いものだけ残せばよいのですが…。容量とかそんなに違うのでしょうか。
Ex.HD(1280×720 60、1280×720 48、1280×720 30、1280×720 24)
試しに1280×720 48、1280×720 30の動画を10秒でファイルサイズがどう異なるか見てみました。結果、
1280×720 48:24MB
1280×720 30:14MB
あら結構違いました。
ピクチャースタイル
予め取りたいシーンなどに応じて色合いの調整してくれる機能です。風景を取る場合は「ランドスケープ」に選択。ソフトはよくわかりません。カスタムのところにあるように「シャープ、コントラスト、彩度」のバランスを調整するのみと思います。
Color(カラー)
このカラーにある「LOG」というワード自体が最初は不明でした。
LOGとは
LOGについて最初さっぱりでした。こちらが参考になると思います。
そもそもLOG映像って一体どういうものなのだろう? LOG映像で映像製作を行いたいが、何をどうすれば良いのだろう? LOG映像を活用して映像制作をしているけれど、今一つ効率やクオリティが上がらない・・ …
ちょっとわかりづらいというか理解しきれないのですが、RAWとセットで記載している文脈がが多いです。これは、後でどう加工修正するか、というところに関係していて、LOG形式で映像を撮影すると、上記引用のような特長が出てくるということです。難しい…
露出オーバー警告
これは露出が高いところにはあみあみの映像になる。最初このシマシマはなにかと思いましたがこれが警告のようです。屋内で見たところ反射しやすいディスプレイや窓などに警告が出されていました。
ヒストグラム
どうやってヒストグラムをカメラで使うのかが全然イメージできませんでした。おそらくカメラをやられる人も同じなのでしょう。「カメラ ヒストグラム 使い方」でググるとたくさん出てきます。
図のように、X軸が明るさを表し大きくるに連れて明るい、Y軸がピクセル数で大きくなるに連れて多い。というように、現在撮影されている状況を直感的に判断できるということです。今度フライトするときに違いなどを見てみたいと思います。
動画字幕
動画に字幕をつけられるのでしょうか?まったく意味がわかりません。特に映像の変化はありません。OFFにしておきます。Forumでも正解は出てきていないです。
http://forum.dji.com/thread-8485-1-1.html
グリッド線
これはわかりやすい
アンチフリッカー
フリッカーはブレであり、ブレの補正のための機能の様子。50Hzと60Hzがあるのがややこしいが、どの周波数を使うが国によって違うので分かれているもの。50Hzはアメリカなど、日本は60HZを利用している。
歴史的背景に興味がある方はこちらも
参考:http://urbanvideo.ca/avoid-video-flicker
NTSC/PALとも関連がある様子。そこまで興味がないのでここは日本はNTSCで60Hzと理解しました。
クイックレビュー
こちらは不明。フォーラムなどでも質問にあがってない。(ちょうどいいので、質問しようとしたら権限がないとかでマイページにリダイレクトされた…なんでだ?)
映像フォーマット(MOV、MP4)
NTSC/PAL
映像方式、上述のようにNTSCは日本。
パラメータリセット
DJI Pilot appで設定されていたカメラの設定がすべて初期化されます。OKを押すとすぐに初期化されるのでご注意ください。
SDカード初期化
SDカードを初期化するだけですが、こちらもOKを押すとすぐに初期化されますのでご注意ください。
長い調べ物が終わりました。とりあえず画面に表示されている内容がどのような作用を持っていて、何に関係してくるのかなどはつかめました。後は実践したときに、ISOやシャッタースピード、カラーやホワイトバランスなど調整しつつ確認していこうと思います。静的写真の仕様については不明点が残ったままなので、確認が取れ次第追記します。
写真サイズ:4:3と16:9の違い についてですが、動画の内容は画面比率の開設をしてますが、Phanton3 Proの4:3と16:9では実は画素数が違うんです。
4:3⇒4000×3000画素 16:9⇒4000×2250画素 幅は4000画素で同じですが縦の画素が16:9では少なくなっていて、ただトリミングしてるだけ?!
後でトリミング前提なら4:3⇒4000×3000画素の方が自由度が高くてお勧めです。
そうですね、ありがとうございます!
いまさらな感はありますが、(笑)
オートブラケット(AEB):3/5 は、露出を変えた連続撮影が3連射か、5連射を選べると言う意味だと思います。
0.7EV バイアスでのブラケットフレーム は、一般的には露出を変える単位を表しているのではないでしょうか。
一般的な AEB撮影は、-0.5EV,0EV,+0.5EVの3連射とか、-1.0EV,-0.5EV,0EV,+0.5EV,+1.0EVの5連射が多い
です。たぶん、この連射間の露出調整量が0.7EV単位になると言うことなんじゃないかな?
わかりやすい説明ありがとうございます!
PHANTOM3の空撮時のカメラシャッター音が出なくなりました(IPADmini4)
何か設定するのですか?
すいません、現象確認できません。
とりあえず、アプリと端末の再起動後確認してみてはいかがでしょう。