ドローンのリポバッテリーの注意点とDJI Phantom 3のIntellligent Flight Batteryの凄さ

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Phantom3用 Intelligent Flight Battery

マルチコプター型のドローンの原動力となるのが、リポバッテリー!ニッカドやニッケル水素といった充電池もありますが、ドローンに使用されている多くはこのリポバッテリーです。

リポバッテリーはデリケートで取り扱いに注意が必要といわれますが、どのような点に注意がいるでしょうか?

今回、基本的なバッテリーの仕組みやリポバッテリーの注意点、そして最後にPhantom3に利用されているIntelligent Flight Batteryがどのような点で優れているのかについて記載します。
(リポバッテリーの注意点は十分に理解している方は、先にIntelligent Flight Batteryについてこちらからどうぞ)

リポバッテリーには爆発の危険がある?

ホビー利用で販売されているドローン・マルチコプターの大半は、リチウムポリマー(リポ、Li−Po)バッテリーと呼ばれるバッテリーが利用されています。

ドローンの操作し始めたころはバッテリーの取り扱いについて特に意識せず、備え付けの充電器でフル充電して、フライトして電池がなくなり、また充電…というようにするのが普通ではないでしょうか。

そして、追加バッテリーを購入したりして色々調べていると、どうやらリポバッテリーというのは取り扱いに注意しないと爆発する危険性がある…ということがわかってきます。

下記は、マルチコプターがノーコンになり、墜落、リポバッテリーが外れて煙が出て、その後爆発するまでの映像です。

こちらはバッテリー自体の問題ではなく、ESCの不良によりノーコンになりその後挙動がおかしくなり墜落。墜落の影響からなのかバッテリーが破損し爆発に至った動画です。他にも様々なリポバッテリーの特性や危険性、そして重要なリポバッテリーのメンテナンスを紹介されているサイト様は多くあります。

リチウムポリマーバッテリー :マルチコプター空撮[技術解説]
本格的な実務開始の準備として、動力用バッテリーを20本購入しました。 購入したのは中堅どころの普及品。 プロが用いるリチウムポリマーバッテリーとしては並以下のブランドを選んでいます。 0 [Zero …
電動機の安全対策
電動飛行機を革新させた3つのキーワード 1.リチウムポリマー電池の登場 2.高性能なブラシレスモータの登場 3.新しい機体素材 特にEPP製 しかし、どれもまだ登場したばかりで、取り扱い方法は模索段階 …
映像制作 | LiPoバッテリは爆発する!危険! – 3RD EYE STUDiOS
衝撃映像。ガレージで充電していたLiPoバッテリが発火して延焼する様が監視カメラに記録されていた。恐ろしい。「LiPoバッテリを所有することは爆弾を抱えて生活するのと同じだ」と言われるが、まさにこの映 …

上述の空撮のプロがそこまで綿密な事前検査とメンテナンスを行うことには相応の理由があるはずです。

そして、ホビー用途といえど、フライト時にマルチコプター自体を丁寧に扱うことはもちろんですが、それ以外の保管時や充電時や定期的なメンテナンスが重要であることには変わりありません。

LiPo(リポ)バッテリーのいいところ・悪いところ

では、リポバッテリーとはどのようなものなのか改めて確認です。

最近ではサバゲーで電動ガンにもリポバッテリーが利用されることが増えてきましたのでご存知の方も多いかもしれません。リポバッテリーはこれまで利用されていたニッケル水素やニッカドといった電池よりも高い電圧を持っているというのが特長の一つです。これらの電池に比べて同じ電圧でも大きさや重量などを約半分ほどにできるため、軽くすることが重要な航空機などドローンには欠かせないアイテムです。

また、ニッカド電池などの場合に顕著だったメモリー効果が解消(メモリー効果とは、容量を余らした状態で充電すると電池の容量が少なくなる現象)されており、さらに軽量ということで重量やパワーを必要とするマルチコプターには最重要といってもいいアイテムです。このようないいところがある反面、高価であり、また冒頭の動画でもあるように取り扱いを慎重になる必要があります。

電流が流れる仕組みとは?

ここでは、今後の電池周辺の情報になれるためにも、リポバッテリーがどのような仕組みで電流を流し、ドローンを動かすパワーを送り出しているかの仕組みについて簡単に確認します。

電池にはそもそも放電のみの一次電池と充電も可能な二次電池があり、リポバッテリーは充電可能ですので、もちろん二次電池です。

電池は2種類の金属(溶けやすいのと溶けにくいもの)と電解質(水に溶けると電気を通す物質)で構成されていて、電解質自体が液体のものが「リチウムイオン」であり、「リチウムポリマー」の場合はゲル状になった導電性のポリマーが使われています。

そして電解質に金属がとけだすと電気が発生し電流が流れ出し放電することができます。充電ができる電池(二次電池)は、逆方向に電流を流すことで溶けた金属が再生させて再び電流を発生出来る状態に戻すということをしています。

これが簡単な電流が発生し充電する仕組みですが、注意が必要なのは、電解質は溶け出して空気や水分に触れてしまうと急激に反応して燃えてしまう性質を持っているため、不用意に落としたりして傷つけてしまうと冒頭の動画のように燃えたり爆発することも考えられるということです。(リポバッテリーの場合は、ゲル状でポリマーフィルムを外皮として利用している分、小型軽量でかつ安全性がリチウムイオンよりも高いと言われていますが、注意することには変わりません。)

リポバッテリーの電圧や電流

バッテリーには電力という電池の力がそれぞれ異なります。
そしてその電力の構成要素が電圧と電流です。

電力を計算式にするとこのようになります。
電力(W・ワット)=「電圧・V・ボルト」×「電流・A・アンペア)

また電池の構成単位として「セル」という単位があり、セルごとの電圧を足しあわせたものが電圧として表記されていることが多いです。リポの電圧は1セル3.7Vであり、2セルだと7.4V、3セルだと11.1Vとなります。

参考にAR Drone2.0の純正バッテリーを見てみます。

AR Drone2.0のParrot社の純正バッテリー

AR Drone2.0のParrot社の純正バッテリー

1000mAhで11.1Vなので3セルのバッテリーで電力は「1A(1000mAh)✕11.1V=11.1W」となります。

また「10C(CapacityのC)」という記載があります。放電できる電流の総容量はこの「mAh」と「C」を掛け合わせることで求められるので「1A(1000mAh)×10C=10A」となります。

RC Logger のRC EYE One Extemeに利用する大容量バッテリー

RC Logger のRC EYE One Extemeに利用する大容量バッテリー

2セルの3.7V=合計7.4Vで1150mAhなので、電力Wは8.5W、総容量は1150mAh✕20C=23Aとなります。

過放電と過充電のリスク

上記で見たように、リポバッテリーには「セル」という構成単位があります。

飛行したり、充電したりするとセルごとに電圧が上下します。例えば飛行中は2つのセルがそれぞれ3.7と3.8だったり、満充電すると4Vになったり、使い倒すと3Vまで下がったり…。

そして各セルごとの電圧バランスが異なると過充電・過放電といった現象が起きる可能性が高くなります。

過放電や過充電はよんで字のごとく過剰な放電と充電ですが、例えば2セルでそれぞれ3.0Vと3.5Vの電圧の状態に等しく充電をしたらばらつきが出る可能性があります。そうすると一方のセルが満充電時の電圧(4.2V)を超えて過充電になったり、反対に下がり過ぎると過放電となる可能性があります。

過放電・過充電になると何がいけないか?

過放電してしまうと、内部の集電体の銅が溶け出してしまい電池として機能しなくなったり、過充電になることにより内圧が上昇して加熱し結果的に爆発という可能性もあります。そのため、充電や利用するときに過充電・過放電の状態にしないことが重要となります。

どうやって各セルごとに電圧状況をチェックし充放電するのか?

とはいえ、どうやって各セルごとに電圧状況をチェックし充放電するのかです。

リポバッテリーの電圧の状態をチェックするツールがあります。色々種類があります。

そして各セルのバランスをとって充電するのがバランサー充電機です。バランサー充電器では各セルごとに充放電(ツールによる)できます。

メーカーによりバッテリーには相応の措置が取られている場合もあるので、まずは説明書などを確認しましょう。AR Drone2.0やRC EYE One Extremeなどは、正直説明書の内容から、どこまでの機能を持っているのかはわからないですが、バランス充電機能を備えたチャージャーとバッテリー裏にも記載されてます。

RC EYE One Extremeの大容量バッテリーの場合は、2つのセルはお互いにつながってないのでバランシングプラグは必要なく一つのチャージャーで充電することもできる(意訳です。詳細はこちら

充電する時だけではなく、保管時も注意?

リポバッテリーは満充電の状態が続くと劣化してしまい寿命が低下してしまいます。1セルごとに3.7〜3.9Vを目安に保存をするのが良いとされています。バッテリー容量レベルでは、50%〜60%くらいのレンジです

つまり、明日飛ばそうと思って満充電して、翌朝フライトしようと思ったが雨でできない…翌日もできない…など続くと満充電の状態が続き、劣化する可能性も高くなります。そのため、上記で紹介したようなバランサー充電器や過放電専用のツールなどがあります。

このようにバッテリーの保管時の充電状況にも気を使う必要があるのがリポバッテリーです。安い買い物ではないですし、何よりも急なバッテリーの故障などにより墜落が起きては目も当てられません。そのためにも日々のメンテナンスはとても重要になります。リポバッテリーに最低限必要なケアとしては、バランス充電と電圧チェックです。充電後のセルごとのバランスがおかしいままの場合などは注意が必要です。ラジコン屋さんや専門の方に見てもらったり、見てもらえなければ正しく処分して新品購入など行いましょう。

また、電圧チェックはご自身のバッテリーにあったチェックツールを利用しましょう。以下は以前AR Drone2.0のバッテリー電圧をチェックするときに私が利用していたものです。AR Drone2.0の純正バッテリーなどはソケットがことなりますので、追加でソケットアダプターを使います。

AR Drone2.0のソケットアダプター

Balance Charger Socket Adapter Plate for Parrot AR Drone2.0 1500mAH LiPo Battery

さらに、爆発映像など見てしまうと本当に意味あるのか疑問になってしまうのですが、セーフティーバッグに入れて持ち運びや保管などをしています。

高機能すぎるバッテリーDJI Phantom Intelligent Flight Battery

ようやく最後にタイトルにもなっているDJI Phantom 3で利用するIntelligent Flight Batteryについてです。

バッテリーの名前にIntelligentとつくように高機能なバッテリーです。どんな特長があるかというと、フル充電したら自動的に電源供給を停止し(ここまではよくある)、DJI Pilot app内でリアルタイムに各セルごとの電圧状況や残容量などの確認が可能です

DJI Pilot appの残り10%超の状態のバッテリーモニター状況

DJI Pilot appの残り10%超の状態のバッテリーモニター状況

また、低電圧状態になると、自動的にアラームがなり、設定値を下回るとフェールセーフ(GO HOMEやホバリング、着地処理などが選べる)機能が働きます。さらにさらに、、、

膨張を防ぐために10日以上利用されないと2日間かけて65%まで自動的に放電することが可能です!この閾値はDJI Pilot appのアプリ内で設定することもできます。

もちろん各自で注意した上で取り扱うことは前提ですが、このような機能はとても安心です。そういう意味でもPhantom 3はホビー利用者・業務用に問わず、安全に利用する機体としておすすめなのだと思います。

また、バッテリーについての詳細は下記に記載されています。
http://download.dji-innovations.com/downloads/phantom_3/en/Intelligent_Flight_Battery_Safety_Guidelines_en.pdf

また、いくつか気になっるIntelligent Flight Batteryの注意点もピックアップしておきます。

  • 水などの液体につけては行けない
  • 衝撃などには気をつけて
  • フライト直後は充電しないで
  • 使っていない時は充電器は外して
  • 熱い場所にバッテリーをおかず理想的には、22℃から28℃
  • 飛行機に乗る時は完全に放電してから持ち運ぶこと

マルチコプター・ドローンに欠かせない最重要アイテムのリポバッテリー。
正しく管理・メンテナンスして安全なフライトをしましょう。

電池の基礎知識に関する参考文献:
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9 Responses

  1. J・バウアー より:

    こんにちは。
    少し前にPhantom3を購入しました。phantom3のインテリジェントバッテリーには、長期に使用しないときの為に自己放電する機能があるようですが、それはアプリで放電を開始する期間を設定後機体にさしたままにして放置をすれば放電を開始してくれるのでしょうか?
    また、買って純正の充電器で充電を2回しただけなのですが、アプリでバッテリーの各セルの電圧がややズレています。最大0.03V程度のズレなのですが、何か問題があるでしょうか?また、このズレの修正法などはあるのでしょうか?
    よろしくお願いします。

    • YOKOTA より:

      アプリで開始する期間(1日や3日など)を設定すれば自動的に放電します。私は最近飛行頻度が少ないので、2日に設定しています。

      電圧のズレですが多少は起こりえます。0.03Vのズレは私もなりますが、開きすぎるとバッテリー性能にとても影響しますのでご注意ください。通常放電して充電(バランス充電)を繰り返すとズレが解消されますので、何度か充放電をしてみてください。

      もちろんズレていないに越したことはないですが、すぐに使えないほどではありません。使用後に確認するなど気をつけながらメンテしてもらえればと思います。心配ならDJIに問合せするのがよいでしょう。

  2. ちょう じゅんぎょく より:

    恐れ入ります。先ほどメール問い合わせしましたが、電池3個で100WHに超えますでしょうか?

    • yoko より:

      phantom3のバッテリーは15.2v×4.48A≒68wです。ANAとかは、確か予備電池は100w以下は手荷物で何個でももちこめるとかだったと思いますが詳細や現状は不明です。知人は最近手荷物で二つバッテリーを持ち込んで問題なかったようです。
      どちらにせよ乗る予定の航空会社に問い合わせるのが一番ですよ。

  3. ちょう じゅんぎょく より:

    DJI PHANTOM3の商品または電池三個を日本で購入したいのですが、電池関連で航空会社によって乗せられない恐れがあるため、こちらにメールさせて頂きました。飛行機に乗せて、海外へ持っていけますでしょうか?

  1. 2015年7月9日

    […] (リポバッテリーの取り扱いについてはこちら) […]

  2. 2015年7月10日

    […] する注意事項の記事でも記載しましたが(過去記事:リポバッテリーの取り扱いの注意点のおさらい + DJI Phantom 3のIntellligent Flight Battery)、Intelligent Flight Batteryはバランス充電はもちろんの […]

  3. 2015年7月11日

    […] する注意事項の記事でも記載しましたが(過去記事:リポバッテリーの取り扱いの注意点のおさらい + DJI Phantom 3のIntellligent Flight Battery)、Intelligent Flight Batteryはバランス充電はもちろんの […]

  4. 2015年9月23日

    […] […]

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